ウォーターサーバーと水道水の違いは?安全性や成分をWHOデータなどから解説

厚生労働省が発表する水安全計画などから、日本の水道水の安全性は世界でもトップクラスだと言われています。実際に水道水をそのまま飲むことができる国は、日本を入れて10ヶ国ほどとごくわずか。

日本では水質基準が厳しく定められており、水質基準を満たせていない水は水道水として供給されないようになっているのです。

ただし、微量の塩素やトリハロメタンなどが含まれており、安全性が確保されているとはいえ少し気になりますよね。

そこで今回はウォーターサーバーの水と水道水の違いについて詳しく解説します!

目次

ウォーターサーバーと水道水の違い

ウォーターサーバーを利用してみたいけど、毎月お金を払うほどのメリットがあるのか悩んでいる人も少なくないでしょう。

ここでは水道水と比較した際の、ウォーターサーバーのメリットを4つご紹介します。

温水や冷水を自由に使える

ウォーターサーバーは製品によって異なるものの、いつでも好きな時に冷水や温水を飲むことができます。

東京都水道局のデータによると水道水の平均温度は16.8℃とぬるめ。一般的な給湯器は32℃〜60℃ほどの温度設定ができるものの、お湯が出るまでにある程度の時間がかかってしまいます。

一方のウォーターサーバーの冷水温度は10℃以下、温水温度は70℃〜90℃が一般的で、水分補給やカップラーメンの調理などさまざまなシーンに適した温度をすぐに使えるのがメリットのひとつです。

有害物質が入っていない

日本の水道水は水道法で厳しい水質基準が設けられており、そのまま飲んでも人体に害はありません。

しかし、水道水には以下のような有害物質が微量ながら含まれており、水道水の味やニオイに影響を与えています。

  • トリハロメタン
  • 硝酸態窒素
  • 塩素
  • カドミウム
  • 水銀

また、貯水槽や水道管などが劣化してる場合は水道水に有害物質が混入する恐れもあり、免疫力の低い赤ちゃんのミルク作りやお年寄りの飲用水には適しません。

一方、ウォーターサーバーでは天然水やRO水、UF水など、清潔で美味しい水を家族全員で楽しむことができます。

ウォーターサーバーの水の種類特徴
天然水地下数百メートル~数千メートルの地下水を原水とした水のこと。地表に降った雨が長い期間をかけて地層を進んでいくため、すでに高いレベルでろ過された状態。採水地によって含まれている成分が異なるが、健康に被害を及ぼすような可能性は非常に低い。
RO水(純水)0.0001マイクロメートルという超微細な孔が開いた「ROフィルター(逆浸透膜)」を使用して、原水をろ過した水のこと。ROフィルターは水分子のみを通すため放射性物質も通さないが、ミネラル成分も排除されてしまう。
UF水(ミネラル配合)「UFフィルター(限外ろ過膜)」を使用して、原水をろ過した水のこと。UFフィルターは水道水に含まれるミネラルを残したまま、残留塩素や溶解性鉛、雑菌などを除去できる。

おいしい水を飲める

ウォーターサーバーからは、いつでもおいしい水が飲めます。そもそも「おいしい水」とは、人それぞれ定義が違うかもしれません。

ここでは昭和59年に厚生省が設立した「おいしい水研究会」が示している水質要件をご紹介します。

おいしい水研究会によると、おいしい水には以下の項目がかかわってくるそうです。

  1. 蒸発残留物
  2. 硬度
  3. 遊離炭酸
  4. 過マンガン酸カリウム消費量
  5. 臭気度
  6. 残留塩素
  7. 水温

これらの7項目について、おいしい水の要件を解説します。

蒸発残留物

蒸発残留物とは、水を蒸発させた際に残った物質のことを指します。カルシウムやミネラル、マグネシウムのようなものの総量を蒸発残留物と言います。

おいしい水研究会によると、蒸発残留物は30~200mg/L以内であればおいしい水だと定義されています。

適度に蒸発残留物が含まれることによって、まろやかさが出るとされています。

硬度

硬度は、硬水や軟水の指標になる値です。

水に含まれるマグネシウムとカルシウムの合計含有量によって決まります。硬度は10~100mg/Lの間がおいしい水の要件になっており、軟水に近い方がおいしい水だとされています。

因みに、WHO飲料水水質ガイドラインの分類は以下の通りです。

軟水0~60mg/L
中硬水60~120mg/L
硬水120~180mg/L
強い硬水180mg/L以上

軟水から中硬水までがおいしい水だと定義されていることがわかります!

遊離炭酸

遊離炭酸は、水の中に含まれている炭酸ガスの量のことを指します。地下水にある水には特に多く含まれており、ある程度の量であれば水に爽やかさを与えられます。

おいしい水研究会によると、遊離炭酸は3~30mg/L以内であればおいしい水だと定義されています。これ以上の数値になってくると、刺激が強くなってしまうので、おいしい水とは言えなくなるでしょう。

過マンガン酸カリウム消費量

過マンガン酸カリウム消費量とは、水中の有機物や還元性物質の量を一定の条件下で酸化させるのに必要な過マンガン酸カリウムの量のことを指します。

有機物量が多いと水に渋みが感じられ、おいしくないと感じる要因のひとつです。

おいしい水研究会によると、過マンガン酸カリウム消費量は3mg/L以下であればおいしい水だと定義されています。

臭気度

臭気度は水についている臭いの強さを数字で表しているもので、数字が大きければ大きいほど臭いも強くなります。

おいしい水研究会によると、臭気度は3以内であればおいしい水だと定義されています。

残留塩素

水を塩素で殺菌消毒した際に残る塩素系薬剤がどのくらい残っているかの指標で、残留塩素が高いほどカルキ臭が強くなると覚えておきましょう。

おいしい水研究会によると、残留塩素は0.4mg/L以下であればおいしい水だと定義されています。

ただし、平成15年10月厚生労働省からは残留塩素を1mg/L以下を目標にすると発表されており、緩和されている現状です。

水温

水温は文字通り、水の温度のことを指します。水温が高くなると美味しくなく感じることが多いですよね。

おいしい水研究会によると、水温は20℃以下であればおいしい水だと定義されています。

ある程度冷えている水がおいしいということですね。

災害時の水ストックになる

ボトル交換式ウォーターサーバーなら災害時にも役立ちます。住んでいる地域で断水されてしまっても、ボトルをストックしておけば問題なく美味しい水を飲むことが可能です。

停電をしてしまうと冷却や温水は使えなくなってしまいますが、災害時でも飲料水に困ることがないのがウォーターサーバーと水道水の違いですね。

ただし、水道水を補充するタイプの浄水型ウォーターサーバーは水道水が使えなければ使用できないので注意してください。

水道水は飲料水として使っても大丈夫?

ここまで水道水とウォーターサーバーの比較をしてきました。

ウォーターサーバーはより安心して飲めるのが魅力ですが、水道水も飲めることに違いはありませんよね。

ただ、先ほども解説した通り、水道水には有害物質が含まれていることがあります。

ここでは水道水の有害物質について、論文や水道局の情報をまとめます。

有害物質が入っている可能性がある

水道水にはごく微量の有害物質であれば、水に含まれていても問題ないことになっています。

東京都水道局の水質基準項目を参考にします。

水質基準項目は51項目設定されており、人の健康の保護の観点から設定された項目と、生活利用上障害が生ずるおそれの有無の観点から設定された項目です。

「1 一般細菌」から「31 ホルムアルデヒド」までの31項目は、人間の健康保護の観点から設定されています。

「32 亜鉛及びその化合物」から「51 濁度」までの20項目は生活利用上で障害がおこる可能性がある観点で設定されています。

そのため、東京都水道局に定められている数値以上の値を超えていなければ、人体や生活に害が及ぶことはありません。

水道水を飲料水として利用しても問題はありませんが、微量の有害物質は含まれていることを覚えておきましょう。

築年数が長い物件の場合サビが出てしまう危険性がある

水道水から鉄サビや赤水が含まれていたことがある方もいますよね。

平成4年ごろまでに作られた建物の場合、水道管に鉄が使われていたため、築年数が長い物件の場合には飲料水として使うのが危険な場合も…。

ただ多少の鉄サビであれば、飲んでいても人体に影響がないとされています。

それでも気になる方も多いはずなので、そのような方は対策をするのが良いですね。

少しでも安心して水を飲むならウォーターサーバーがおすすめ

先ほども紹介した東京都水道局の水質基準項目では、ある程度の有害物質は許されている状況です。

また鉄サビや赤水が含まれている可能性を考えると、水道水を飲むことに抵抗を感じる方もいますよね。

そのため、水を安心して飲みたいのであればウォーターサーバーがおすすめです。

浄水型のウォーターサーバーであれば、レンタル代以外に費用は掛からないので、水道水の有害物質を取り除いて飲むことができます。

ボトル交換式のウォーターサーバーの場合は、ミネラルウォーターが毎月届くため安心して飲めますね。

人体への影響はほとんどないとされていますが、気になる方はウォーターサーバーを利用を検討してみてください!

ウォーターサーバー水道水
水の費用3,000~4,000円5.76円
(1L=0.24円で計算)
電気代500~1,000円程度
レンタル料3,300円程度
(レンタルする種類による)
水の種類RO水・天然水浄水
1か月間の合計コスト3,000~8,000円程度4,131円
(※総務省の家計調査を参考)

ウォーターサーバーと水道水の違いについてのQ&A

最後にウォーターサーバーと水道水の違いについてのQ&Aについてまとめます。

どちらが安全?

どちらも安全ですが、水道水には微量の有害物質が含まれています。

一方でウォーターサーバーの水は、水道水のように消毒処理がしっかりとされているわけではありません。加熱処理やろ過をすることで不純物を取り除いているため、有害物質が含まれていないのが特徴です。

そのため、少しの有害物質も気になる場合にはウォーターサーバーを利用するのがおすすめです。

浄水器とウォーターサーバーの違いは?

浄水器は水道水を浄水して、ゴミやカルキなどの除去することができます。

一方でウォーターサーバーは、冷たい水や熱いお湯を出せるのが特徴です。機能性に長けており、色々な使い道があるのもメリットですね。

また災害時の備蓄水としても使えます。浄水器の場合には水道水が通ってなければ一切使えなくなってしまいますが、ウォーターサーバーのボトルのストックがあれば備蓄にもなります。

ミネラルウォーターとウォーターサーバーの違いは?

ミネラルウォーターとウォーターサーバーの違いは、電気代や配送料、サーバー代などの固定費が大きいことです。

ウォーターサーバーをレンタルして使用する場合、月700円程度の電気代やサーバーのレンタル代がかかってしまいます。

しかしミネラルウォーターは、電気代やサーバーレンタル料はかかりません。

一方で便利さでいえば、ウォーターサーバーが勝ります。ウォーターサーバーでは冷たい水や熱いお湯をすぐに出せるため、手間がかかりません。

便利さでいえばウォーターサーバーが良くて、費用面で見ればミネラルウォーターが良いと覚えておきましょう。

まとめ

ウォーターサーバーと水道水の違いについて解説しました。

最後にもう一度、ウォーターサーバーと水道水の違いをまとめます。

  • 温水や冷水を自由に使える
  • 有害物質が入っていない
  • おいしい水を飲める
  • 災害時の水ストックになる

生活を豊かにするという面では、ウォーターサーバーを利用するのがおすすめです。

水道水のカルキ臭や有害物質が気になる方は、ぜひウォーターサーバーの利用を検討してみてくださいね。

目次