ウォーターサーバーは雑菌だらけ?体に悪い?裏事情を徹底解説!

ウォーターサーバーについてネットで調べていて、「ウォーターサーバーは雑菌だらけ」「衛生面が気になる」など気になる口コミを目にした方が少なくないでしょう。

この記事では、東京都生活文化局消費生活部の調査や独自調査をもとにウォーターサーバーは本当に雑菌だらけなのか解説するほか、雑菌を増やしかねないウォーターサーバーの間違った使用方法などをご紹介します。

これからウォーターサーバーを導入したい方やすでに利用している方は、ぜひこの記事を参考にして、衛生的で安全にウォーターサーバーを楽しんでくださいね。

この記事でわかること
  • 東京都生活文化局のデータをもとにしたウォーターサーバーの安全性
  • ウォーターサーバーが衛生的で安全な理由
  • ウォーターサーバーの間違った使用方法
  • 日本の水道水事情
目次

ウォーターサーバーは雑菌だらけ?東京都生活文化局のデータをもとに解説

東京都生活文化局消費生活部では、ウォーターサーバーの水質を調べるべく「ウォーターサーバーの安全性に関する調査」を行いました。

実験は5台のウォーターサーバーを2週間ごとにボトル交換しながら92日間にわたって行われたもので、それぞれから給水した5つの検体の一般細菌検査を行ったところ、以下の表のような結果が得られました。

実験期間中に検出された一般細菌の最高値
検体10個/mL
検体20個/mL
検体35,900個/mL
検体42,500個/mL
検体5200個/mL

3つの検体から一般細菌が検出され、うち2つの検体から水道水の水質基準(100個/mL)以上の一般細菌が検出されました。

その一方で、検体1や検体2からは期間中に1度も一般細菌が検出されていないことから、未開封のボトルの汚染ではなく、蛇口など配管に付着した雑菌が水に入り込んだことが推測されます。

一般細菌の多くは人体に無害なものばかりですが、なかには病原性大腸菌などの人体に悪影響を及ぼす菌も存在するため、赤ちゃんのミルクづくりや高齢者の飲用水としてウォーターサーバーを使用する際には細心の注意を払ってください。

ウォーターサーバーは雑菌だらけではない!雑菌が少なく安全な理由を解説

ウォーターサーバーは、正しく使えば雑菌だらけではないことが実験結果からもわかりました。では、雑菌を繁殖させずにウォーターサーバーを利用できるのはなぜでしょうか。

雑菌が少なく安全に利用できる理由を解説します。

ほとんどのウォーターサーバーに自動クリーン機能がついている

近年の高機能ウォーターサーバーのほとんどには、自動クリーン機能がついています。

サーバー内を清潔に保つ自動クリーン機能の仕組みはサーバーによってさまざまで、サーバー内で作られた100℃近い熱水をサーバーの各部に流すものや、紫外線を照射して殺菌するものもあリます。

仮にサーバー内に雑菌が入り込んだ場合でも、サーバー内部で雑菌を繁殖させにくい環境をつくっているのです。

ウォーターサーバーの中にはUV除菌や抗菌システムが完備されているものもある

サーバー内で作られた温水を使った自動クリーン機能に加えて、UV除菌などの除菌システムを備えているウォーターサーバーもあります。

UV(紫外線)は、非常に高い除菌効果をもっており、UVを照射された一般細菌などの微生物は細胞内のDNAが破壊され死滅します。

UV除菌は熱水による除菌効果よりも高い除菌作用があるので、ウォーターサーバー内での雑菌の繁殖が心配な方には、UV除菌が完備されているサーバーがおすすめです。

エアフィルターを導入しているウォーターサーバーなら内部への雑菌の侵入を防止できる

ウォーターサーバーから給水する際に、「ボコボコッ」という音を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、水を出しながらボトル内に外部の空気を取り込んでいる音です。

外気には一般細菌やホコリが含まれており、ボトル内に取り込まれることでサーバーや水を汚染することになりかねません。

そこで、一部の機種ではエアフィルターを導入しています。エアフィルターは通常、ボトルの取付口近くにあり、取り込む空気に含まれる一般細菌やホコリなどを取り除く役割を果たします。

衛生的な外気を取り込めるため、サーバー内で雑菌が繁殖する可能性を下げることが可能です。

ウォーターサーバーは半年から一年に一回メンテナンスをするためきれいに保たれる

高性能なウォーターサーバーはホームメンテナンスをすれば、清潔に使用できるものがほとんどです。とはいえ、メーカーでメンテナンスをしたほうが安心と感じる方もいるはずです。

ホームメンテナンスだけでは心配な方は、定期的なメンテナンスをしているメーカーのウォーターサーバーがおすすめ。また、有償で訪問メンテナンスをしているメーカーもあります。浄水型のウォーターサーバーでは、半年に1回など高頻度でメンテナンスとフィルター交換をする場合もあります。

主なウォーターサーバーメーカーのメンテナンス頻度やメンテナンス費用をまとめたので、ウォーターサーバーを選ぶ際にぜひ参考にしてください。

メーカー費用メンテナンス頻度
アクアクララあんしんサポート料1,100円/月2年に一度
プレミアムウォーター有償都度依頼
マーキュロップあんしんサポート料713円/月1年に1度
ウォータースタンド無償半年に1度

ウォーターサーバーの扱いを間違えると雑菌だらけになることもある!やらない方が良いことを解説

ウォーターサーバーは取扱説明書通りに使用すれば、清潔に使用できます。しかし、実験で雑菌の発生を確認した検体もあるため、絶対に雑菌が発生しないとは言い難いです。

ウォーターサーバー内に雑菌が繁殖してしまうのは、間違えた使用方法が主な原因なので、ここからはやらない方が良いことを解説します。

節約をするためにウォーターサーバーの電源を切る

電気代節約のために、ウォーターサーバーの電源を切るのはご法度です。多くのウォーターサーバーは温水をサーバー内で循環させる自動クリーン機能を搭載しており、ウォーターサーバーの電源を切ると、自動クリーン機能が働かなくなるだけでなく、温水の温度が低下して雑菌が繁殖する原因となります。

雑菌の繁殖防止には、ウォーターサーバーの自動クリーン機能やUV抗菌のシステムが効果的。サーバー内を雑菌だらけにしないためには、電源を常にONにしておくのがベストです。

メーカーが指定している期間にやるべきメンテナンスを怠る

メーカーが指定している期間にやるべきメンテナンスを怠れば、雑菌が繁殖する原因となります。メンテナンスは清潔にウォーターサーバーを使用するために設けているため、必ず期間を守ってメンテナンスをしましょう。

家庭でできる主なメンテナンスは以下の3つです。

注入口をこまめに拭く
→清潔な布巾で拭いたり、ブラシで細かい部分の汚れを落としたりするメンテナンスを推奨しているメーカーが多いです。

・ボトルの交換時に接続部を拭く
→アルコールを含ませた布巾などで接続部を拭き、除菌します。接続部に細菌が入り込むとボトル内の水に雑菌が繁殖する恐れがあります。メーカーが推奨している場合には、必ず実施しましょう。

・ウォーターサーバー本体の拭き掃除
→ウォーターサーバー本体に埃などが溜まっていると、ボトル交換をする際などに、接続部から雑菌が入り込みボトル内で雑菌を繁殖させてしまう事態になりかねません。ウォーターサーバー本体も清潔にするように、指定された期間ないしはそれよりも頻回に拭き掃除をするようにしましょう。

浄水型ウォーターサーバーのフィルター交換をしないまま使う

浄水型ウォーターサーバーで、フィルター交換を指定された時期を超えて使用するのは雑菌が繁殖する原因になります。

水道水を浄化するシステムの浄水型ウォーターサーバーには、浄化フィルターがあります。

水道水は、一般細菌の数値が100個/mL以下であれば各家庭に給水されます。そのため、ウォーターサーバーに水道水を給水する際に一般細菌が含まれている可能性も考えられ、浄水フィルターが水をきれいにする大きな役割を果たしているのは明白です。

決められた期間でフィルター交換を行わないと、フィルターの浄化作用が落ち、一般細菌やホコリを浄化できていない水がサーバーから給水されることになります。

浄水型ウォーターサーバーを使う場合、サーバー内に一般細菌を入り込ませないためにもフィルター交換を決められた期間で必ず行ってください。

日本でウォーターサーバーはいらない?実は水道水でも雑菌は繁殖しにくい

日本は水道水の水質基準が高い国のため、ウォーターサーバーが必要ないと考える方もいます。水道水でも雑菌が繁殖しにくい理由を解説します。

日本の水道水は水質基準が非常に高く一生飲み続けても身体に悪影響を及ぼさない

日本の水道水の水質基準は非常に高く、一生飲み続けても身体に悪影響を及ぼさないと言われています。

食品や飲料は安全性を確かめるために一般細菌の個数を検査していますが、水道水の水質基準は、水道水中の一般細菌、いわゆる雑菌の細菌数が「水道水1mL中に100個以下であること」と決められています。

牛乳は「牛乳1mL中に50,000個以下であること」が安全と判断される基準であり、水道水の水質基準と牛乳の安全基準を比較すると、家庭に給水される水道水の水質がいかに安全かわかります。

静岡県磐田市の水道水の保存期間についての検証実験では水温次第で約半年持つことがわかる

静岡県磐田市の水道水の保存期間について検証実験によると、水温次第では約半年も保存できることがわかりました。

実験では、ペットボトルやポリタンクに水道水を充填して、6か月間で雑菌が繁殖するか否かを調べました。

保管する容器のほかに保管条件として冷蔵と常温、また容器内の空気の有無の場合分けをして、計6パターンで保管をしたところ、すべての容器で一般細菌の繁殖はみられない結果となったのです。

常温条件下で保存された水道水では、殺菌効果のある塩素濃度が1週間~2週間で0mg/Lとなったにもかかわらず一般細菌の繁殖はありませんでした。

このことから、水道水中に一般細菌が含まれていないことがわかります。

参考:水質基準用語解説水道水質の解説

まとめ

ウォーターサーバーが雑菌だらけではないことを解説しました。とはいえ、使用方法を間違っていたり、メンテナンスを怠ったりしてメーカーが推奨している取扱い方法をしなかったりすれば、雑菌だらけのサーバーとなる可能性もあります。

ウォーターサーバー内に雑菌を繁殖させずに使用するためには、必ずメーカーで推奨する使用方法を守るように心がけてくださいね。

目次