面倒なボトル交換や給水の手間がない水道直結ウォーターサーバーは、自宅で手軽に美味しい水を飲むことができると近年人気が高まっています。
日常的な手間がかからない反面、導入時には自宅の水道とサーバーを繋げるための工事が必要です。
水道直結ウォーターサーバーの契約を検討しているけど、「どんな工事を行うの?」「工事が必要ないウォーターサーバーはある?」など疑問を持っている人も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、水道直結ウォーターサーバーの工事の流れや工事に関するデメリットなどをまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。
水道直結ウォーターサーバーの工事の流れ
水道直結ウォーターサーバーの工事の流れを解説します。工事の流れは次の通りです。
- 水道周りの形状・サーバーの設置場所の確認作業
- ウォーターサーバーの設置工事
ウォーターサーバーの設置工事をスムーズにするために、サーバーの設置場所の確認は大切な作業です。ここからは、それぞれの工事の内容を具体的に解説します。
水道周りの形状・サーバーの設置場所の確認作業
工事に取りかかる前に、水道周りの形状やサーバーの設置場所の確認作業をします。
まずは、水道やシンク下など水栓周りの形状をチェックして、水栓からウォーターサーバーまでのパイプの引き方や工事の内容を決めます。次にウォーターサーバーの設置場所を確認して、水栓からウォーターサーバーまでのパイプの導線と長さを確認。
水道水直結ウォーターサーバーは、水道とウォーターサーバーの設置場所が近いほど短いパイプで給水できます。短いパイプであるほど、キッチン内に水の導線となるパイプが露出する箇所が少ないため、整頓された印象のキッチンになります。
しかし、キッチンのレイアウトによっては、キッチンから離れた場所にしかウォーターサーバーの設置場所がない家庭もあるはずです。水道直結ウォーターサーバーでも、水道からウォーターサーバーまでのパイプの長さが5m~10m以内であれば設置できます。
ウォーターサーバーによってはパイプの長さが5m以下でないと設置できない場合もあるため、キッチンからウォーターサーバーを設置できる場所が離れている家庭では、設置できる場所の候補を複数箇所挙げておくほうが安心です。
ウォーターサーバーの設置工事
ウォーターサーバーを設置したら、業者が自宅を訪問して、水道とウォーターサーバーをパイプで繋げる工事をします。
作業内容は全部で次の3ステップです。
- 水栓にパイプを取り付ける。
- 取り付けたパイプをウォーターサーバーに繋げる。
- パイプをモールでカバーする。
工事は立ち会いが必須です。とはいえ、ウォーターサーバーの設置工事は60分~90分と短時間で終了する工事のため、仕事などで忙しい方でも時間の確保をしやすいはずです。
水道直結ウォーターサーバーの工事内容は2通り
水道直結ウォーターサーバーの工事内容は次の2通りです。
- シンク下のパイプから分岐させる工事
- 水栓から分岐させる工事
工事の内容を理解した状態でウォーターサーバーの設置工事を依頼できるよう、工事内容の詳細を解説します。
シンク下のパイプから分岐させる工事
水道直結ウォーターサーバーの工事の一つは、シンク下のパイプから分岐させる方法です。キッチン下で、水道管からウォーターサーバーへ水を分配できるよう部品を取り付ける作業をします。
水をウォーターサーバーへ分配できるようになったら、給水するパイプと繋げます。パイプは、6mmほどの細いホースです。ウォーターサーバーまでの導線はモールで目隠しできるため、パイプが剥き出しになってつまづく心配がありません。
水栓から分岐させる工事
水道直結ウォーターサーバーの一つの工事は、水栓から分岐させる方法です。シンク下のパイプから分岐させる工事よりも作業工数が多いため、シンク下のパイプから分岐できない場合に採用されます。
水栓自体を一度分解して、ウォーターサーバー専用の水栓を取り付けます。取り付けたウォーターサーバー専用の水栓には、ウォーターサーバーに給水するパイプを取り付けられる仕様になっています。
パイプを取り付けられたら、シンク下のパイプから分岐させる工事と同様にウォーターサーバーまで続くパイプをモールで隠せば、作業完了です。
水道直結ウォーターサーバーの工事に関するデメリット
水道直結ウォーターサーバーでは、工事が必要な点がボトル式のウォーターサーバーと大きく異なるポイントです。水道直結ウォーターサーバーの工事に関するデメリットは、次の3点です。
- ウォーターサーバーによっては工事費用がかかる
- 最低契約期間に達する前に解約すると、違約金が発生する
- キッチンや水栓の状況によっては穴あけ工事が必要となる
工事をして、水道直結ウォーターサーバーを導入してもメリットを感じられなければ、「契約しなければよかった」と誰もが思うはずです。「契約してよかった」と思えるためにも、解説するデメリットを参考にして、採用するウォーターサーバーを決めてください。
ウォーターサーバーの設置工事費用は無料〜10,000円程度とばらつきがある
水道直結ウォーターサーバーは、水道からパイプを引く工事が必要です。工事を無料で実施するメーカーのウォーターサーバーがある一方で、設置をする際に工事費用が必要なものもあります。
全国区で対応している水道直結ウォーターサーバーのうち、3社の工事費用を比較しました。
メーカー | 工事費用(税込) |
---|---|
ウォータースタンド | 9,900円 |
アクアスタイル | 無料 |
every frecious | 無料 |
上記3社以外も含めた工事費用の相場は10,000円前後です。サーバーレンタルとサーバー買取で工事費用が異なるメーカーもあるので、公式サイトでは表示された工事費用が適用となる条件も確認しましょう。
最低契約期間が設けられているサーバーは途中で解約すると解約金がかかる
ウォーターサーバーをレンタル契約する場合、各メーカーで最低契約期間を設けています。
全国区で対応している水道直結ウォーターサーバーのうち、3社の解約費用を比較しました。
メーカー | 違約金(税込) | 違約金のかかる期間 |
---|---|---|
ウォータースタンド | 6,600円 | 1年未満 |
アクアスタイル | 52,800円 | 3年未満 |
every frecious | 22,000円/16,500円/11,000円 | 1年未満/1年以上2年未満/2年以上3年未満 |
原則的には最低契約期間を下回って解約すると、違約金の支払いを義務付けると契約書に記載されており、ほとんどのメーカーで違約金は10,000円以上と設定されています。
また、契約期間が短いほど、違約金は高額になる傾向があるようです。
最低契約期間までの残りの契約期間によって、違約金の金額が決まる契約内容を採用しているメーカーもあり、場合によっては10,000円以下の金額で解約できるケースもあります。
万が一、解約をしなければならないときのために、契約の際に最低契約期間と違約金の金額を確認することは必須です。
キッチンのタイプ・水栓の形状によって穴あけ工事が必要な場合がある
水道直結ウォーターサーバーの工事は、シンク下のパイプから分岐させる方法がほとんどで、パイプの導線の穴あけを必要しない場合が多いです。
しかし、シンク下の収納スペースの形状によって、穴開けを必要とするケースもあります。たとえば、シンク下の収納スペースが引き出しタイプだと、ウォーターサーバーへ繋げるパイプを通すスペースが確保できずに、シンク下の壁に穴を開ける傾向にあります。
また、水栓から分岐させる工事をした場合、シンク下にパイプを通せるスペースがないと、シンクに穴を開けざるを得ません。ウォーターサーバーの設置場所がカウンターの腰壁沿いだと、カウンター側から穴開けをして導線を最短にする方法もあります。
賃貸で水道直結ウォーターサーバーを利用する場合、退去時に費用がかかってしまう可能性もあるため、水道直結ウォーターサーバーを利用するために穴開け工事が必要になるかどうか、事前に確認しておくのがおすすめです。
工事が必要ないボトル型と水道直結ウォーターサーバーはどちらがいい?独自で比較調査してみた
工事が必要ないボトル型のウォーターサーバーと水道直結ウォーターサーバーのどちらがいいのでしょうか?答えは「どんな水が飲みたいのか」や水の消費量によって変わります。
ボトル型ウォーターサーバーと水道直結ウォーターサーバーの比較調査をしてみたので、自分の家庭にぴったりなウォーターサーバー選びの参考にしてください。
2年間使用すると水道直結型の方が4万円程度安くなる
ボトル型と水道直結のウォーターサーバーを2年間使用すると仮定して、ウォーターサーバーにかかる費用を比較しました。
結果は、水道直結型の方が4万円程度安くなります。それぞれのウォーターサーバーにかかる費用の内訳も含めて比較してみました。
水道直結ウォーターサーバーの費用例
合計 | 134,700円 |
サーバーレンタル代(4,400円/月) | 105,600円 |
水道代 | 0円※ |
電気代(800円/月) | 19,200円 |
工事費用 | 9,900円 |
※水の消費量を36L/月と仮定すると、2年間の使用量が864L。最も安い基本料金の場合、5,000Lから従量料金が発生する。
ボトル型ウォーターサーバーの費用例
合計 | 175,200円 |
サーバーレンタル代(4,400円/月) | 0円 |
水ボトル代 | 156,000円 |
電気代(800円/月) | 19,200円 |
工事費用 | / |
水道直結型のウォーターサーバーの水道代は0円として計算したため、実際には水道代の費用が若干上乗せされます。
「水の使用量によっては、ボトル型ウォーターサーバーの方が安くなるのでは?」と考えた方もいるはずです。
水道直結型とボトル型のウォーターサーバーにかかる費用の差額40,000円を補うためには99,000Lの水を使う必要があります。99,000Lは25mプール2つ分の水量に相当します。よって、水の使用量に問わず水道直結型のウォーターサーバーの方が費用が抑えられることがわかります。
水道直結ウォーターサーバーはコンパクトで場所を取らない
水道直結ウォーターサーバーはコンパクトで場所を取らない設計のものが多い一方、ボトル型ウォーターサーバーはボトルを取り付ける必要があるため、水道直結型に比べて大きな作りのものが多い印象です。
また、水道直結ウォーターサーバーはボトル交換の必要がないので、ボトルの保管場所を確保する必要もありません。
特に、設置スペースが限られている方には、キッチンなどのちょっとした隙間にも置きやすい卓上型の水道直結ウォーターサーバーがおすすめです。
ただし、ウォーターサーバーは水栓と離れた場所には設置しづらく、ホースが邪魔になったり見栄えが悪くなったりするデメリットもあります。
水道直結ウォーターサーバーは災害時に使えなくなる可能性がある
災害などで水道が断水されれば、水道直結ウォーターサーバーは使えなくなる可能性があります。もし首都圏で地震が発生した場合、断水率は最大で26.4%になります。
とはいえ、災害が発生して、すぐに断水されない場合も多いです。水道水が断水される前に水をストックしておけば、水道水であれば常温で3日、冷蔵で10日程度は保存できます。
しかし、ウォーターサーバーのフィルターを介して、塩素を除去された水は殺菌効果が水道水より弱いです。断水の際にストックしたウォーターサーバーの水を飲む場合は、保存可能な期間よりも早めに消費するようにしてください。
水道直結ウォーターサーバーの工事に関してよくある質問
水道直結ウォーターサーバーの使用を検討する方の中には、工事について疑問を持つ方が多くいます。よくある質問をまとめたので、水道直結ウォーターサーバーの設置に関する疑問の解消に、ぜひ参考にしてください。
賃貸でも設置できる?
水道直結型のウォーターサーバーは、賃貸でも設置できます。水道へ給水するためのパイプを取り付ける作業の際、ほとんどの場合には穴あけを必要としません。退去時に現状復旧ができれば、賃貸でも水道直結ウォーターサーバーの設置が可能です。
しかし、キッチン下の収納扉の形状によっては、穴あけ工事が必要な場合もあります。穴あけ工事が必要な場合には、賃貸では水道直結型のウォーターサーバーは設置できないため、浄水式や配送式のウォーターサーバーを選ぶようにしましょう。
水道直結ウォーターサーバーの置き場所は水道が近くにないとできない?
ウォーターサーバーのスタンドの置き場所は、水道の近くでなくても設置できます。
しかし、水道直結型のウォーターサーバーはパイプで給水するため、パイプの距離は規定の長さ以下にする必要があります。長さは、フィルターの種類によって違います。
- ROフィルター搭載ウォーターサーバーであれば、5m以内
- それ以外のフィルターのウォーターサーバーであれば、10m以内
使いたいウォーターサーバーのフィルターの種類を確認して、工事の前にスタンドを置く場所とキッチンの距離が規定の長さ以内か確認しましょう。
水道直結ウォーターサーバーと食洗器は一緒に設置できる?
水道直結ウォーターサーバーと食洗機は一緒に設置できます。水道直結ウォーターサーバーと併用できる食洗機は、主に以下の3種類です。
水道直結型ウォーターサーバーは、食洗機と一緒に使える場合が多いですが、水栓部分の形状によっては、設置できる食洗機の種類が限られてしまう場合があります。
その中でも最も影響を受ける可能性が高いのが、卓上型食洗機です。卓上型食洗機を水道直結型ウォーターサーバーと一緒に使いたいという人は、実際に設置できるか注意して確認するようにしましょう。実際にメーカーなどの有識者に問い合わせてみることをおすすめします。
卓上型食洗機
水栓から水の動線を分岐させる工事を行います。ウォーターサーバーと食洗機のそれぞれに分岐するパイプと水道の合計3方向に流れる経路の確保が必要です。
ビルトイン食洗機
ビルトイン食洗機は、水道からパイプを引く必要がありません。シンク下に収納されるタイプの構造のため、シンク下を通る配水管から分岐させることになります。
タンク式食洗機
タンク式食洗機は、水をタンクに溜めて使います。パイプを使って水栓から給水する必要がないため、水道直結ウォーターサーバーと併用できるのか迷ったときには、タンク式食洗機を採用するのもおすすめです。
浄水器と水道直結ウォーターサーバーはどちらがいい?
浄水器と水道直結ウォーターサーバーの違いの1つは、水道水をろ過するフィルターの性能です。
浄水器は、水道水の残留塩素が除去できる程度の性能のフィルターを使います。一方で、ウォーターサーバーの中には、高性能な「RO膜」のフィルターを使用しているサーバーもあります。RO膜は、ウイルスやバクテリアだけでなく、ミネラル分も除去し、水分子だけをろ過するほど目が細かいフィルターです。
また、浄水器は2か月~6か月に1回の頻度で、カートリッジを交換が必要です。水道直結ウォーターサーバーもフィルター交換は必要ですが、交換頻度の目安は6か月~1年のため、浄水器よりお手入れの手間はかかりません。
浄水器と水道直結ウォーターサーバーのどちらが最適かは、ウォーターサーバーのユーザーによって違います。しかし、子どもがいる家庭など、クリアでおいしい水が飲みたい方には、純水でお手入れも簡単な水道直結ウォーターサーバーがおすすめといえます。
まとめ
水道直結ウォーターサーバーの工事について解説しました。
- 水栓にパイプを取り付ける
- 取り付けたパイプをウォーターサーバーに繋げる
- パイプをモールでカバーする
基本的には上記の工事の流れになっており、非常に簡易的な内容です。賃貸でも利用できるようになっているので、どのような方でも水道直結ウォーターサーバーを利用できます!
工事は非常に簡単なものだと覚えておき、水道直結ウォーターサーバーを利用してみてくださいね。