美味しいお水が手軽に飲めるということで、家庭に導入する動きが加速しているのが『ウォーターサーバー』です。
しかし、それと同時に「ウォーターサーバーは高いイメージがある…」や「ウォーターサーバーは高いからやめておこうかな…」という意見も良く聞きます。たしかにお水を飲むという目的において、ウォーターサーバーは高いと言えるでしょう。
しかし、それに見合っただけのメリットもあるのです。
この記事では、ウォーターサーバーが他のお水と比較してどのくらい高いのかを解説した上で、導入するメリットを解説していきます。記事後半では、トータルコストを抑えるためのコツも解説していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
【結論】ウォーターサーバーが高い理由は主に3つ!比較してみると最も高コストなのは水代だった?
まず結論として、ウォーターサーバーは他の水と比較して『高い』です。詳しい比較は後述しますが、前提としてウォーターサーバーは費用が高いということを知った上で見ていくことをおすすめします。
では、「なぜウォーターサーバーは高いのか?」という疑問から解消していきましょう。
ウォーターサーバーを利用するには、主に以下3つの料金がかかります。
- お水代(水道代)
- レンタル代
- 電気代
ウォーターサーバーのタイプによって料金の割合は変わりますが、これら3つをトータルすると毎月4,000円近くのコストになってくるのです。
では、それぞれの料金についてもう少し詳しく見ていきましょう。
ボトル型ウォーターサーバーの場合、平均3,000円~4,000円ほどの水代が発生する
ウォーターサーバーの上部、もしくは下部に水の入ったボトルを装着することでお水が飲めるボトル型ウォーターサーバーの場合、平均して1ヶ月3,000円~4,000円ほどの水代が発生します。
【お水代の違い】
水の種類
ボトルに入った水は『天然水』と『RO水』に分けられます。天然水は自然の水源から汲んできた水を飲用できる状態にしたもので、RO水は水道水を特殊なフィルターでろ過した水です。RO水はミネラル成分まで除去されるため、メーカーによってはミネラル成分を配合することもあります。
毎月送られてくる水の量
当然のことですが、注文した水の量が多ければ多いほどコストは高くなっていきます。基本的には毎月2本(24L)で契約するケースが多く、家族で飲むなら3本(36L)以上で契約することもあるでしょう。メーカーの中には1本(12L)でも対応していることもありますが、ノルマの問題で選べないケースが多いです。
浄水型ウォーターサーバーの場合、毎月平均3,000円~4,000円ほどのレンタル代が発生する
水道水を使って冷水・温水を作る浄水型ウォーターサーバーの場合、ボトルに入った水を購入する必要はありません。その代わり、サーバー自体のレンタル代が月に3,000円~4,000円ほど発生します。
【レンタル代の違い】
床置きタイプ/卓上タイプ
サーバーにはサイズの大きい床置きタイプと、棚や机の上に置ける卓上タイプの2種類があります。基本的に料金に差はありませんが、メーカーによってはタンクの大きさや機能面で床置きタイプの方が高いことがあります。
機能面の充実度
冷水・温水機能はもちろんのこと、クリーニング機能やエコ機能など搭載されている機能が多ければ多いほど料金が高くなる傾向があります。チャイルドロックも電子式だと安全性も高いですが、料金面も少し高い印象です。
水道水直結型ウォーターサーバーの場合、初期費用として工事費が発生する可能性あり
ウォーターサーバーの契約時には事務手数料などの初期費用が発生しますが、『初期費用無料キャンペーン』などを実施していることが多く、実際のところ無料になるケースがほとんどです。
ただし、水道水直結型ウォーターサーバーの場合は少し異なります。
水道水直結型はその名前の通り、水道管とサーバーを直接繋げる必要があり、工事業者に依頼して作業してもらわなければなりません。初期工事の料金相場は10,000円前後。メーカーや機種によっては、工事費が無料だったり格安で工事してくれたりするケースもあります。
ただし、このような場合は「〇年以上使い続けることが条件」であることが多く、解約時の違約金にも関わってくるため、契約時にはしっかりと確認するようにしましょう。
ウォーターサーバーの稼働させるための電気代も平均300円~1,000円ほどかかる
ウォーターサーバーは冷水や温水を作るために電力を使うため、稼働すればするほど『電気代』が発生してしまいます。すぐに冷水・温水が出せるように水温を一定に保つ必要もありますし、利用状況によって電気代も大きく左右されますね。
その他、サポート料金やメンテナンス費がかかってくるケースもあるため注意
ウォーターサーバーは消耗品です。使えば使うほど劣化していきますし、浄水型であればフィルターも徐々に効果が薄くなっていきます。
ウォーターサーバーを清潔に使い続けるには、メンテナンスやカートリッジ交換が不可欠ですが、メーカーによっては料金が発生することがあります。
さらに、故障や破損などのトラブルを解決するために予めサポート費用が月額料金に加算されているケースも。サポート費用自体はそこまで高くありませんが、気付かない内に大きな負担になっていることも考えられるのです。
ウォーターサーバー/ペットボトル/浄水器/水道水のコストを比較してみよう
ここからは、ウォーターサーバーと他のお水のコストや特徴を比較してみましょう。今回は、以下の項目で比較してみました。
月額料金 | 1ヶ月間で発生する料金の総額。 実際は契約するメーカーや地域によって大きく異なる。 |
月額料金内訳 | 月額料金の内訳を示している。 |
初期費用 | 工事費や設置費などが発生するかどうか。 発生する場合はどのくらいが相場なのかを示している。 ここではいわゆる事務手数料は含まないようにしている。 |
キャンペーン | 契約時にキャンペーンで安くなるかどうか。 ペットボトルや浄水器などの割引セールなどは今回対象外とする。 |
最低契約期間 | 「最低でも〇年は使ってください」という期限が定められるかどうか。 |
解約時の違約金 | 上記の最低契約期間内に解約した場合、どのくらいの違約金が発生するのか。 |
【比較表】
ボトル型ウォーターサーバー | 水道水浄水型ウォーターサーバー | 水道水直結型ウォーターサーバー | 水道水 | ペットボトル | 浄水器 | |
---|---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 3,700円~ | 3,706円~ | 3,706円~ | 5.76円~ | 2,400円~ | 256円~ |
月額料金内訳 | 水代:3,000円~ 電気代:700円~ | レンタル代:3,000円~ 水道代:6円~ 電気代:700円~ | レンタル代:3,000円~ 水道代:6円~ 電気代:700円~ | 水道代:5.76円~ | 購入費:2,400円~ | 水道代:5.76円~ カートリッジ交換費:256円~ |
初期費用 | なし | なし | 10,000円~ | なし | なし | 2,000円~ |
キャンペーン | 事務手数料無料など | 事務手数料無料など | 工事費無料など | なし | なし | なし |
最低契約期間 | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
解約時の違約金 | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
※1ヶ月あたり24Lで算出
※水道代は東京都で算出(東京都内でも地域によって誤差あり)
圧倒的に費用が安いのは水道代以外かからない『水道水』
最も費用が安いのは『水道水』という結果になりました。東京都水道局によると、1Lあたり0.24円で、24Lは約5.76円ということになるのです。仮に家族で1ヶ月に100Lをウォーターサーバーで飲むとしても、月々たったの24円となります。
また、賃貸契約によっては『水道代無料(家賃に含まれている)』というケースもあり、実質無料で飲み放題と考えることもできます。水の味や成分にこだわりがなく、「私はお水にお金を使いたくない!」という人は水道水で生活するのがおすすめですね。
初期費用こそ高くなってしまうが、長期的に考えたらコスパの良い『浄水器』
浄水器の場合、主に『蛇口に直接取り付けるタイプ』と『水道水を注いで使うポットタイプ』の2種類があります。ホームセンターや家電量販店で購入することができ、この購入費が初期費用として発生しますが、水を別途購入したりレンタル代が発生することはありません。
浄水機能が高品質であったり、温水機能などが搭載されていたりするポットタイプなどは10,000円を超すこともありますが、安いものであれば2,000円ほどで購入できるものもあります。この初期費用さえ払ってしまえば、月額料金は「実質水道代だけ」ということです。
ただし、浄水器には水をキレイにするためのカートリッジが内蔵されています。浄水型ウォーターサーバーに搭載されているフィルターと同じようなもので、使えば使うほど劣化していくのです。タイプやメーカーによって交換時期・費用は大きく異なりますが、目安は以下のようになっています。
【カートリッジの交換時期と費用について】
浄水器のタイプ | 交換時期 | 交換費用 | 1ヶ月あたりの費用 |
---|---|---|---|
据え置きタイプ | 1年周期 | 5,000円~10,000円 | 417円~833円 |
蛇口直結タイプ | 6ヶ月周期 | 3,000円~5,000円 | 500円~833円 |
ポットタイプ | 3ヶ月周期 | 1,000円~2,000円 | 250円~500円 |
※アンダーシンクタイプもあるが、設置費用だけで100,000円を超すため今回は除外
購入する手間などはあるものの美味しい水を安く購入できるのが『ペットボトル』
スーパーやコンビニで購入できるペットボトル水の場合、発生する費用は購入費だけです。メーカーと契約することもありませんし、何かを設置するような手間もありません。つまり、月額料金は買ったペットボトルの数や容量で変動するのです。
ただし、1本あたりの料金はブランドによって大きく異なるため、1ヶ月あたりの料金相場が最もブレやすいのもペットボトルの特徴です。500mLあたり100円の水もあれば、まとめ買いで1本あたり60円くらいで購入できることもあります。
水の料金・電気代など1ヶ月当たりのコストは高くなる『ボトル型ウォーターサーバー』
水が入ったボトルを購入するボトル型ウォーターサーバーの場合、記事の最初で解説した通り水代が最も大きなコストになります。
それに電気代が加わると、料金相場は月々3,700円~ほど。これよりも安いメーカーもありますが、それでも他の水と比較すると月額料金は高いですね。
レンタル代・電気代などで同じくコストが高い『浄水型ウォーターサーバー』
浄水型ウォーターサーバー・水道水直結型ウォーターサーバーの場合は、やはりサーバーレンタル代でコストが高くなっている印象があります。
給水などの手間は省けますが、工事などの初期費用がかかる分、水道水直結型の方がトータルコストは高くなるでしょう。
ボトル型ウォーターサーバーには存在しないコストとして、メーカーによってはろ過するためのフィルター代がかかってくるケースもあります。基本的には交換時期に無料で送られてきますが、契約前に確認しておいた方が良いでしょう。
コストだけで考えるならウォーターサーバーは高いと言わざるを得ない
比較した結果、やはりコスト面だけで考えると「ウォーターサーバーは高い!」と感じてしまう結果になりました。ボトル型ウォーターサーバーと水道水を単純計算で年間比較したら…
ボトル型ウォーターサーバー:44,400円~
水道水:69.12円~
圧倒的な差が出てしまいましたね。ということで、ひとまず「何よりもコストを優先したい人・節約していきたい人」は、ウォーターサーバーの導入はおすすめできないことが分かりました。
全体的にコストが高いのにウォーターサーバーを導入するメリットは『水の美味しさ』と『安全性の高さ』などがある
では、そんなにもコストがかかるウォーターサーバーを導入するメリットは何があるのでしょう?使う人の環境によっても異なりますが、以下のようなメリットを感じる人が多いです。
長い年月をかけてろ過された『天然水』や不純物を取り除いた『RO水』はミネラル豊富で美味しい
最も分かりやすいメリットは、やはり『水が美味しい』という点でしょう。とくにボトル型ウォーターサーバーの場合、ボトルに封入された水は天然水かRO水であることがほとんどです。
①:天然水
天然水とは、以下のような特徴を持った水のことを指します。
- 特定の水源で採水された地下水
- 地表の影響を受けず、自然の成分が多く含まれている
- 物理的、化学的処理が最低限(ろ過・沈殿・加熱殺菌)しかされていない
採水した場所によって含まれる成分の種類や量は異なりますが、どの水源でもミネラル成分が豊富に含まれているため『美味しいお水』となっているのが特徴です。成分の含有量によってまろやかさが変わったり、水の硬度が変わるためサーバーではなく水の種類で選ぶ人もいます。
②:RO水
RO水とは、以下のような特徴を持った水のことを指します。
- 特定の原水ではなく水道水や地下水を使用
- RO膜(逆浸透膜)を使ってろ過した水
- 水分子しか通さないフィルターのため不純物を取り除ける
天然水ではなく水道水などをろ過しているのがRO水です。放射性物質も取り除けるため、水道水でありながらクリアな水となっています。ミネラル成分もすべて除去してしまうため味もなくなってしまいますが、メーカーによってミネラル成分を添加するため「日本人の好みに合った味」に調整できるのが特徴です。
天然の味を楽しみたい人であれば天然水、安くて美味しい水を楽しみたいならRO水を提供しているメーカーとの契約を検討してみましょう。
ボトル型ウォーターサーバーは徹底した品質管理・水質検査を行っているため安全性が非常に高い
ボトル型ウォーターサーバーで採用されている天然水やRO水は、それぞれ地層やフィルターによってろ過されていると上記でも解説しましたね。
それだけでも不純物はほぼ除去されていますが、各メーカーでは独自の品質管理・水質検査を行うことでさらなる安全性アップを目指しています。
例として、大手メーカーの品質管理を軽く見てみましょう。
①:プレミアムウォーター(天然水)
- 4段階以上のフィルターを通すことで除菌
- ボトリング作業はクリーンルーム内で行っている
- ワンウェイ方式なのでボトルが使いまわしされていない
- 独自の品質管理と、定期的に水質検査を行っている
②:クリクラ(RO水)
- 不純物(ミネラル成分含め)が取り除かれているため純水
- 洗浄/殺菌/充填/密封までオートメーション化されている
- ミネラルが添加されているため美味しいお水になっている
さらに、ボトル型ウォーターサーバーの未開封タンクは食品衛生法により、製造基準や成分規格などを定められているほか、「日本宅配水&サーバー協会」が規定する「安全性に関する規格基準」により水質基準が定められています。
このように各メーカーの徹底した品質管理・水質検査と、法律や協会による安全性に関する規格基準によって、ボトル型ウォーターサーバーの安全性は確保されているのです。
浄水型ウォーターサーバーはフィルターを使って不純物を取り除くため安全
上記のように、ボトル型ウォーターサーバーの場合はメーカーが徹底した品質管理・水質検査を行っています。
一方で、水道水を使う浄水型ウォーターサーバー・水道水直結型ウォーターサーバーの場合はどうでしょう?まず前提として『水道水は水質管理が徹底されているため基本的には安全』です。
日本の水道水には水道法が制定されており、水質基準項目が51項目規定されています。つまり、この基準をクリアした水だけが水道水として使われているのです。これだけでも安全性は安定していますが、ウォーターサーバーには特殊なフィルターが設置されています。
メーカーによってフィルターの材質や取り除ける不純物は異なりますが、除去率99%以上のウォーターサーバーもあるくらいです。「水道水を使うから浄水型ウォーターサーバーは不安…」と考えている人も、安心して選択肢として検討してみましょう。
いつでも冷水・温水を飲むことができるなど機能面でも大きなアドバンテージがある
さまざまな機能が搭載されている点も、ウォーターサーバーならではのメリットと言えるでしょう。機種によって搭載されている機能は異なりますが、主に以下のような機能が多いです。
冷水/温水機能
ウォーターサーバーのメイン機能です。いつでも冷たいお水、温かいお湯をすぐに飲むことができます。機種によってはぬるま湯を作ることも可能ですし、カップラーメンやスープなどをよく作る人には便利な機能ですね。
エコ機能
ウォーターサーバーは電気代がかかってしまいますが、外出時や就寝時に稼働させないことで消費電力を抑える機能などが搭載されています。
自動クリーニング機能
いつでも美味しく安全なお水が飲めるように、自動的にタンク内部などを加熱殺菌・UV殺菌する機能です。セルフメンテナンスと併用することで、さらなる安全性を確保することができます。
軟水やRO水であれば赤ちゃんのミルク作りにも最適(安全性には注意)
お湯をすぐに使えることから、赤ちゃんのミルク作りにも利用しやすいです。実際、これを目的にウォーターサーバーと契約する家庭も少なくありません。
しかし、赤ちゃんの腸内は強くないため、ミネラル成分が多いと胃や腸に負担を与えてしまい、体調を崩す可能性があります。
そのため、赤ちゃんのミルク作りには硬度100mg/L未満の軟水、もしくはミネラル成分が含まれない純水を使うのがおすすめです。
ウォーターサーバーのコストを抑えるために自分でもできること5選
上記のようにウォーターサーバーはトータルコストが高いものの、導入するメリットはしっかりとあることが分かりました。それでも「できるだけコストは抑えたい!」という人もいるでしょう。ここからは、誰でもできるコストを抑えるコツを解説していきます。
①:そもそも自分にウォーターサーバーが必要なのかを吟味してみる
まず大前提として、『自分にウォーターサーバーは必要なのか』という点を検討してみましょう。
ウォーターサーバーは毎月4,000~5,000円ほどのコストがかかります。それだけのコストを払ってまでウォーターサーバーを導入するだけのメリットがあるのか考えてみるのです。
「導入すれば飲むかもしれない!」くらいの気持ちだと、水ボトルがどんどんと溜まっていって後悔することも珍しくありません。解約するにも違約金がかかったり、撤去するのに手数料がかかったりと不必要なコストが発生してしまう可能性も考えられます。
②:契約前に必ずトータルコストを計算してみる(お店の人に確認してみる)
契約する前には必ず『毎月かかるトータルコストを計算してみる』ことも重要です。でないと、実際の請求額とのギャップで「ウォーターサーバーは高い!契約して損した!」という印象になってしまうからです。
そして、自分の中でウォーターサーバーに出せる金額と照らし合わせて契約内容を決めましょう。
【各項目で考えるべきこと】
項目 | 相場(1ヶ月) | 簡単な解説 |
---|---|---|
本体 (レンタル代) | 3,000円~4,000円 | サーバー本体のレンタル代。安い機種であれば3,000円未満のものもあり、機能にこだわらないなら安めの機種も検討してみましょう。 |
水代 | 3,000円~4,000円 | 水の産地によって料金が変化する。RO水の方が安い傾向にあるため、天然水にこだわりがなければRO水を選ぶのがおすすめです。 |
電気代 | 300~1,000円 | 電気代を抑えるために、どんなエコ機能が搭載されているかを確認しておく。電気代を導入前から割り出すのは難しいが、おおよそ700円ほどで考えておくと良い。 |
サポート代 | 無料~500円 | 故障や破損時の修理・交換に対応してくれる。コスパを考えるなら、無料でサポート内容が良いメーカーを選ぶのもアリ。 |
③:自分が1ヶ月あたりに飲む水の量を計算し、余る可能性があるなら配送スキップが可能か確認する
ボトル型ウォーターサーバーの場合、『毎月ボトル〇個』というノルマが存在します。相場としては24L(2本)となっていますが、「果たして自分が毎月24Lもの水をウォーターサーバーから摂取するのか?」という点を考えてみましょう。
単純計算すると1日に800mL飲めば消費できます。家族でシェアしたり料理に使ったりすれば案外すぐに消費できますが、一人暮らしや外食が続く場合にはなかなか消費できない可能性も。
「配送スキップ」はボトルを消費できなかった月に便利なので、検討しているメーカーが対応しているかどうか確認しておくといいでしょう。
【配送スキップとは】
設定された期間、お水の配送を止められる制度。止めている間はお水が送られることなくお水代も発生しない。ただし、設定できる期間には制限がある。スキップできる期間、制限を超した際のペナルティなどを確認しておこう。
④:電気代を抑えるためのエコ機能がどのくらい搭載されているかを確認する
ウォーターサーバーには、消費電力を抑えるための『エコ機能』が搭載されていることが多いです。メーカーや機種によって内容は異なりますが、自分の利用環境に合ったエコ機能を選択すると良いでしょう。
①:エコモード
ウォーターサーバーは冷水タンク・温水タンクに分かれており、どちらも電力を使うことで水温を一定に保つことができます。エコモードでは、温水の温度を下げることで消費電力を抑えることが可能です。就寝時や外出時など、温水を使うタイミングでない時に起動すると良いでしょう。
エコモードは自動ではなく、基本的には自分でボタンを押す必要があります。そのため、エコモードのまま放置してしまい「コーヒー飲みたかったのにエコモードのままだったからぬるい…」というケースも考えられるので、解除することも忘れないようにしましょう。
②:自動エコモード(スリープモード)
上記のエコモードとは違い、サーバーが自動的にエコモードになる機能です。スリープモードと呼ばれることが多く、部屋の明るさが一定以下になることで起動します。特別な操作も必要なく、就寝時に勝手に起動するのは便利ですよね。「自分でエコモードに設定するの忘れそう…」という人は、このスリープモードが搭載されている機種を選ぶと良いでしょう。
③:消費電力が抑えられている機種を選ぶ
サーバーの消費電力は機種によって異なります。サーバーのスペック表には「温水(加熱)のワット数/冷水(冷却)のワット数」が記載されていることが多いです。このワット数が低ければ低いほど省エネモデルということになります。
【平均値】
温水:300~55W
冷水:100W
温水であれば300W以下、冷水であれば100W以下であれば省エネモデルと考えても良いでしょう。
⑤:長期的に利用するならウォーターサーバーの買い切りも検討してみる
もし長期的にウォーターサーバーを利用する場合、レンタルではなくサーバーの買い切りプランを検討してみると良いでしょう。買い切りとはその名の通り、ウォーターサーバー本体を一括で購入することです。そのため、通常であれば発生するレンタル代が発生しません。
買い切りすることのメリット・デメリット
コストに関しては後ほどシミュレーションと共に解説しますが、まずは買い切りすることで得られるメリット・デメリットを頭に入れておきましょう。そうすることで、買い切った後に後悔しにくくなりますよ。
メリット①:水のノルマ&レンタル代が発生しない
最も大きなメリットは、やはり毎月発生する水代・レンタル代が発生しないことでしょう。ボトル型ウォーターサーバーは水のノルマ(定期配送)がなくなり、浄水型ウォーターサーバーはサーバーレンタル代がなくなります。これだけで毎月3,000円ほどのコストダウンになるでしょう。
メリット②:解約時の違約金に怯えなくて済む
買い切りプランの場合、サーバーの所有権は自分にあります。そのため、解約時の違約金が発生することがありません。レンタルプランの場合、平均して2~3年の最低契約期間があります。それを気にせずいつでも解約できますので、ストレスに感じることもないでしょう。
デメリット①:初期費用がとにかく高い
買い切り最大のデメリットは、やはり初期費用が高いという点でしょう。メーカーや機種によっても異なりますが、中には100,000円を超えるようなサーバーもあります。安い機種でも50,000円くらいはするでしょう。それを一括で購入と考えると、買い切りプランに踏み出せない人がいるのも納得です。
そういう人は、一括ではなく分割で購入できないか確認してみましょう。36回払いなどを選択すれば、毎月の負担はかなり抑えられます。この場合もノルマなどはありませんが、クレジットでの購入なので手数料や金利が発生することもあるため注意が必要です。
デメリット②:サポート面に不安が残る
レンタルプランの場合、業者によるサーバーの定期メンテナンスや故障時の修理・交換を無償(もしくは割引金額)で行ってくれるメーカーが多いです。これはサーバーの所有権がメーカーにあるからですね。しかし、買い切りプランの場合はサーバーの所有権は自分にあります。
業者へのメンテナンス依頼も有料になることが多いです。それに加えて、故障した際の修理保証が付いていることはありますが、残念ながら本体を新品と交換することはできません。このように、徹底したサポートを受けたいならレンタルプランの方がおすすめです。
デメリット③:サーバーの処分は自分でしないといけない
レンタルプランの場合、解約したサーバーはメーカー側が引き取ってくれます。しかし、購入プランだと自分で処分しないといけません。粗大ごみとして出すにしても、廃品回収業者に依頼するにしても手間とお金がかかってしまうのです。
レンタルプランと買い切りプランで料金シミュレーションして料金を比較してみよう
では、ここでレンタルプランと買い切りプランのコストを比較してみましょう。
【条件】
レンタルプラン:レンタル代3,000円/電気代700円/サポート代500円(月額4,200円想定)
買い切りプラン:購入代:150,000円/電気代700円
①:2年利用時
レンタルプラン:100,800円
買い切りプラン:166,800円
2年利用であれば、レンタルプランの方が66,000円ほど安くなっています。買い切りプランだと月額6,950円となりますので、2年でウォーターサーバーを解約しようと考えている人はレンタルプランでの契約がおすすめです。
②:3年利用時
レンタルプラン:151,200円
買い切りプラン:175,200円
3年利用であれば、レンタルプランの方が24,000円ほど安くなっています。2年利用時と比較するとその差はかなり小さくなりましたが、3年利用が目的であればレンタルプランの方がおすすめですね。
③:5年利用時
レンタルプラン:252,000円
買い切りプラン:192,000円
5年利用であれば、買い切りプランの方が60,000円ほど安くなっています。これ以降はさらに月額料金の差は大きくなっていき、それだけ買い切りプランの方がお得になっていきます。初期費用こそ大きな負担となってしまいますが、長期的な利用だとかなりお得だということが分かりましたね。
【Q&A】ウォーターサーバーの導入・コストに関してよくある質問に回答!
最後に、ウォーターサーバーの導入・コストに関してよくある質問をQ&Aという形で解説していきます。こういった些細な疑問を解決しておくことによって、契約後に後悔するリスクを下げることができますよ。
Q1.ウォーターサーバーをやめた理由ってやっぱり料金が高いからなの?
A.高いという理由もあるが、主に以下のような理由でやめる人が多い
①:送られてきた水が飲み切れずに溜まっていくから
契約内容やメーカーにもよりますが、一般的にお水は1ヶ月に24Lほど送られてきます。性別や体格によっても異なりますが、成人は1日に2.5Lほどの水分を摂る必要があります。ただし、それをすべて水から摂取することはありません。1.2~1.3Lが水から、その他を食物や代謝で補うからです。
しかし、この1.2L~1.3Lも仕事で外に出ている間はウォーターサーバーで補うことはできません。もし半分の0.6Lをウォーターサーバーで補った場合、30日で18Lしか消化できませんよね。そのため、どんどんお水が溜まっていき、途中で解約することが多いようです。
②:設置場所に困って圧迫感を感じるようになるから
床置き型ウォーターサーバーの場合、高さが100cmを超すものもあります。それに加えてボトル型の場合だと水の段ボールも大きいため、どんどん圧迫感を感じるようになるみたいです。コンセントの位置によっては、生活がしにくいケースもあるかもしれませんね。
③:ボトルの交換が面倒になったから
サーバー上部にボトルを設置するタイプの場合、10kg以上するボトルを持ち上げなくてはいけません。男性ならそこまで問題になりませんが、女性になると簡単には持ちあがらないでしょう。それが原因でボトル交換をしなくなり、結果的に水が溜まって解約したという人もいます。
Q2.ウォーターサーバーを導入した人はどんなデメリットを感じているの?
A.大きなデメリットとしては『チャイルドロックが不安』と『セルフメンテナンスが面倒』という点を挙げている人が多いです。※コストが高いのもデメリットだが割愛。
①:チャイルドロックが不安
チャイルドロックとは、その名の通り子どもがイタズラでお湯などを出せないようにする機能のことです。基本的には「解除ボタンを押しながらでないと熱湯が出ないタイプ」か「特別な手順をしないと給水バーが下がらないコック式」を搭載しているサーバーが多いです。
しかし、子どもが3歳にもなるとチャイルドロックを自分の意思で解除できるようになるケースも多くあります。実際に国民生活センターが行った検査では、「3歳児2人が5機種中4機種のチャイルドロックを解除した」という結果になったくらいです。そのため、安全性を確保するためにはチャイルドロックだけでは不十分ということですね。
②:セルフメンテナンスが面倒
最近では自動クリーニング機能が搭載されている機種が増えたため、昔ほどのデメリットではありませんが、定期的なセルフメンテナンスが面倒という声も聞きます。セルフメンテナンスの回数を減らしたい人は、クリーニング機能の品質で選ぶのもおすすめですね。
Q3.ペットボトルの水も美味しいならウォーターサーバーを導入する意味あるの?
A.ウォーターサーバーだからこその強みは『機能面』と『緊急時の備蓄水』です。
ペットボトルと比較した場合、やはり冷水や温水をボタン一つで飲めるのはウォーターサーバーの強みと言えるでしょう。ペットボトルも冷やしておくことはできますが、温水にするためにはそれなりの時間と手間を要します。そのため、とくに温水を日常的に使う人はウォーターサーバーがおすすめです。
そして、地震などの災害で断水した場合もウォーターサーバーは役に立ちます。開封したボトルであれば約2週間ほど、未開封のボトルであれば約6ヶ月ほどが賞味期限です。断水が直るまでであれば十分な期間だと思います。
ペットボトルも買いに行くことはできますが、断水時には多くの人が買いに訪れます。混雑に巻き込まれる可能性が高いだけでなく、「結局買えなかった…」というケースも考えられますよね。中には転売目的で買い込む人まで現れますので、ウォーターサーバーの方が備蓄水としては優秀でしょう。
Q4.ウォーターサーバーを経費にするならどの勘定科目として考えればいいの?
A.法人/個人事業主、どういう目的でウォーターサーバーを導入したかによって異なります。
【法人の場合】
従業員が利用するために導入した場合:福利厚生費
来客対応時に利用するために導入した場合:接待交際費
【個人事業主の場合】
個人事業主の場合、従業員がいないため福利厚生費として計上することは不可能
来客対応時に利用するために導入した場合:接待交際費
さらに細かく勘定科目を仕訳する場合、ウォーターサーバーのレンタル料金は『賃貸料』か『リース料』となる点も覚えておきましょう。
Q5.純粋なコスト面だけ考えたらおすすめのウォーターサーバーってどれ?
A.コスト面で考えるなら、以下のウォーターサーバーがおすすめです。
①:【水道水浄水型ウォーターサーバー】Locca(ロッカ)
【月額料金】
初期費用 | 3,300円(キャンペーン利用で無料) |
月額料金 | 2,680円 |
サポート費用 | 無料 |
1年間の料金 | 32,160円+水道代+電気代 |
【Loccaの特徴】
- 業界最安クラスのウォーターサーバー
- 配送料含め月額料金2,680円の定額制
- 新規お申し込みキャンペーンで初期費用が無料になる
②:【ボトル型ウォーターサーバー】ワンウェイウォーター
【月額料金】
初期費用 | 1,100円(smartプラス以外は無料) |
月額料金 | 2,700円(12L×2本) |
サポート費用 | 無料 |
1年間の料金 | 32,400円+電気代 |
【ワンウェイウォーターの特徴】
- RO膜で不純物を取り除いたRO水(ミネラル成分は添加)
- ボトル型では12Lあたり最安クラス
- smartプラスのみ出荷手数料で1,100円かかる点に注意
③:【ボトル型ウォーターサーバー】アルピナウォーター
【月額料金】
初期費用 | 無料 |
月額料金 | 3,113円 内訳:2,4840円(12L×2本)+629円(レンタル代) |
サポート費用 | 無料 |
1年間の料金 | 37,356円+電気代 |
【アルピナウォーターの特徴】
- 天然水+RO膜でろ過した美味しくて安全なお水
- レンタル代がかかるが、お水代は業界最安値
- 初期費用や配送料、サポート費用も無料
まとめ
今回の記事をまとめると以下のようになります。
- お水の利用料としてウォーターサーバーは高い部類に入る
- 水の美味しさや充実した機能などウォーターサーバーならではのメリットも多い
- 長期的な利用を考えているなら買い切りプランも検討する
- 水の美味しさや機能とコスパどっちを重要視するかで契約内容を考える
「ウォーターサーバーは高そう…」というイメージはその通りでしたね。コスパだけを考えると水道水や浄水器の購入がおすすめですが、ウォーターサーバーにはコストに見合っただけの魅力・メリットがあるのです。
とくに水の美味しさや温水・冷水機能はウォーターサーバーの強みですね。配送スキップ・買い切りプランなど毎月のコストを下げるコツもあります。
まずは自分がウォーターサーバーにかけれる費用を算出し、そこから契約内容などを決めていきましょう。